自然豊かな兼六園、新鮮で美味しい海の幸、情緒漂うひがし茶屋街‥‥観光名所の石川県には魅力的なスポットがたくさんありますが、その中でも際立っているのは、なんといっても「金沢百万石まつり」でしょう。
「名前は聞いたことあるけど、実際どんなまつりなのかよく知らない」という方も、金沢百万石まつりを深く知ったなら、絶対行きたくなるはず!
この記事では、そんな金沢百万石まつりを10倍、いや100倍楽しむために、その歴史を紐解いていきたいと思います。
ぜひ最後までご覧ください!
目次
金沢百万石まつりとは
金沢百万石まつりは、日本の石川県金沢市で毎年6月に開催される伝統的なお祭りです。
このお祭りは、加賀藩の創設者である前田利家とその妻・お松の方を偲び、金沢の歴史と文化を称えるために行われます。
百万石とは、加賀藩が江戸時代に享受した石高(年間の米の生産量を示す単位)のことで、この名前がお祭りに冠されています。
煌びやかなパレードというイメージもありますが、このまつりは1583年から始まり、以降絶えることなく行われている由緒ある行事でもあります。
祭りのハイライトは、なんといっても豪華な衣装を身にまとった参加者による「百万石行列」でしょう。
前田利家とお松の方をはじめとする加賀藩の武将や家臣、さらには城下町の人々を再現した人々が、金沢市内を練り歩くこの行列は、見る人々を江戸時代にタイムスリップさせるような錯覚を起こさせます。
金沢百万石まつりは、昔ながらの情緒を残しつつ現代風にアレンジされており、地元の食べ物や工芸品を販売する屋台が出店される市や、各種のパフォーマンス、伝統芸能の披露、子供たちが参加できるイベントなど、家族連れにも楽しめる内容・構成になっています。
金沢市は観光客に大人気で、近年は外国人観光客も増えており、2023年は60万人もの外国の方が金沢市に訪れました。
こんなに長く大勢から愛される金沢百万石まつりですが、その歴史を紐解いてみましょう。
金沢百万石の歴史は戦国時代までさかのぼる
金沢百万石まつりは歴史を知らなくても十分楽しむことができますが、まつりに関する歴史を知れば、よりこのお祭りを楽しむことができます。
金沢百万石まつりの始まりは、今から400年ほど前の戦国時代まで遡ります。
戦国時代はご存じ弱肉強食の時代です。
強い者が弱い者を倒し領地を広げ、自分の家系を栄えさせトップを目指す。これが当時の価値観でした。
戦争の勝利に貢献した武将には、褒美(土地)が与えられました。
土地が増えると、武士の収入源となる米や戦力となる人員が増えます。
米の量は当時「石」と表現され、この「石」が多ければ多いほど、大きな領地を持っている力のある武将という証になったわけですね。
ちなみに、「一所懸命」という言葉は、「土地(所)を獲るのに命をかけるほど頑張る」という戦国時代の生き方を発祥にしているそうです。
そのくらい、当時の人にとって土地というのは大きな価値を持っていたんですね。
そして、戦国時代にこの「石」をなんと、百万築いた武将(前田利家)がいまして、彼が金沢城に入城したことを記念して行われたのが、金沢百万石まつりのルーツと言われています。
その後、金沢百万石祭りは、市内で行われる様々な奉祝活動を経て、今日に繋がる大規模な祭典へと発展しました。
特に、戦後の混乱期を経て、尾山神社周辺で始まった地元の伝統行事が、現在の形式へと発展のきっかけとなっています。
昭和20年代に金沢市と地元商工会議所の共同で再開された金沢百万石まつりは、地域経済の活性化と共に、金沢特有の伝統文化を広く紹介する場として成長。特に、行列における前田利家公の役を演じる俳優の起用は、祭りを全国的な注目の的へと押し上げる重要な転換点となりました。
この祭りを通じて、金沢の豊かな文化遺産と、歴史上重要な人物たちの功績が称えられ、次世代へと継承されていくのです。
キーパーソン①前田利家
金沢百万石まつりの歴史を知る上でのキーパーソンとして覚えておきたいのが、前田利家です。
戦国時代の武将といえば、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康が有名ですね。
その3武将に仕えて地道に領土を拡大していったのが、前田利家です。
この前田利家こそ、先ほど申し上げましたが「金沢百万石まつり」という名前の通り、百万石を築いた武将なんです。
百万石は、現在のお金に換算すると3000億円にもなります。
戦国時代を生き抜き、財力を高め続けた前田利家。すごいですね!
キーパーソン②お松の方
金沢百万石まつりの歴史を知る上でのキーパーソンとして、お松の方も忘れてはいけません。
百万石というとてつもない偉業を成し遂げたのは、無論前田利家一人の力ではありません。
それには、妻のお松の方(おまつのかた)の存在が欠かせなかったといえます。
前田利家が出世し、百万石を築くのを陰で支えた人、それがお松の方ということですね。
では、お松の方はどのような人物だったのでしょうか?
お松の方は、前田利家の正室かつ、織田信長の妹。
なので、前田家と織田家の間には強固な同盟関係が生まれ、その出自と人格から、政治的なアドバイザーとしても利家を支えたと言われています。
また、行動力や人的掌握術に長けていたんですね。
例えば、、
・豊臣秀吉の側室の竜子と、秀吉の母である淀君が揉めた際には、仲裁に入り、信頼を高めた
・前田軍が秀吉に加勢せず、秀吉から怒りを買った時には、まつは秀吉に直接会いに行き許しを乞い、事なきを得た
・夫の前田利家が亡くなった後、家康に謀反の疑いで攻撃されそうになった時は、自らを人質として差し出すことで窮地を脱した
といったエピソードがあります。
そのほか、多くの慈善事業に関わり、領民たちの信仰と尊敬を集めたり、加賀藩の文化と芸術の発展にも貢献したりなど、金沢の文化的な基盤を築いたのも、お松の方の力なんだとか。
このように、お松の方は、夫である前田利家と共に加賀藩の礎を築いた重要な人物であり、今日でもその功績は高く評価されています。
まさにお松の方なくしては、前田家は百万石を築くことはなかったと言われています。
金沢百万石まつりを100倍楽しむために!
金沢百万石まつりの歴史を駆け足で紹介してきましたので、最後にまつりの日程やスケジュールを確認しておきましょう!
日程
金沢百万石まつりは基本的に毎年、6月の第一金曜日から日曜日までの3日間執り行われます。
が、今年度(2024年)は、5月31日〜6月2日までの開催予定ですので、注意しておきましょう!
スケジュール
金沢百万石まつり午後2時、金沢東駅前から出発するところからスタートします。
先導隊に続き音楽パレード、ミス百万石、獅子舞、梯子登り、神輿、子供奴行列、子供神輿、大人奴行列、お松の方行列、加賀八家老行列、前田利家行列、赤母衣衆と続きます。
4時間かけて街を練り歩く様を捉えようと、たくさんのテレビ局も集まります。
そして、前田利家とまつに扮した芸能人が見れるのも、ファンにとってはたまらないと思います。
過去には、前田利家公役には松平健さん、高橋克典さん。お松の方は斉藤慶子さん、藤本美貴さんなどが選出され、他にも沢山の豪華メンバーが出演しました。
気になる2024年は、前田利家公役には、俳優の仲村トオルさん、お松の方役には女優の夏菜さんとなりました!
ファンの方で見に行きたい方は、早い時期から金沢百万石まつりの予約をしたほうが良いかもしれません。
※よく見える場所で観覧したい方は、金沢市の公式ホームページから有料観覧券を購入しましょう。(およそ2ヶ月前から販売されています)
まとめ
金沢百万石まつりの歴史を紐解いてきました。
金沢百万石まつりに限らずですが、そのルーツ・歴史を知ることで、より理解が深まり、お祭りを目一杯楽しむことができると思います!
毎年6月に開催される、石川県の金沢百万石まつり。ぜひ訪れてみてくださいね。