歯の衛生週間

歯の衛生週間!保育園・幼稚園では何がどのように行われている!?

日本では毎年6月4〜10日までの一週間を、歯の衛生週間(歯と口の健康週間)として、歯と口の健康に関する知識を普及しています。

今回は、そんな歯の衛生週間に関連して、特に保育園・幼稚園児にスポットを当てて、内容を具体的に解説していきたいと思います。

というのも近年、保育園・幼稚園児の虫歯発生率の上昇が問題視されているからです。

原因として、多種多様な食材の発展・普及、祖父母による過剰な食事摂取があげられています。

このような環境下で、子供たちの歯を健康に保つにはどうすればいいのか?

保育園、幼稚園では、歯の衛生週間の期間中はどのようなことが行われているのか?見ていきたいと思います。

保育園にも幼稚園にも看護師配置の義務はない

歯の衛生週間(歯と口の健康週間)において、子どもたちの歯の健康を守るためには医療従事者の存在が欠かせません。

この点保育園は、かつて1977年乳幼児保育指定所制度として、9人以上の0歳児を保育する場合、看護師または保健師を1人付けることが義務づけられました

ですが、現在は看護師不足ということもあり、その義務はなくなり、あくまで努力規定となっています(ただし、私立保育園は保育士配置が今でも義務付けられています)。

昔は、保育園では医師の指示さえあれば、園内での医療行為も可能だったんです。

看護師は口腔についても学び、知識を持っているので、専門性をもって口腔に関する説明や指導も行うことが出来たわけです。

幼稚園も同様に、看護師配置の義務はありません。

歯の衛生週間中に行われていることとは

歯の衛生週間(歯と口の健康週間)の期間中は、保育園・幼稚園ともに、訪問歯科受診を実施している園がほとんどです。

これは、小児医療が無償化されたことと関連して、積極的に実施されています。

我々素人が子どもの歯を毎日磨いていても、磨き残しがあったり、虫歯と気付かず放置してしまう事って結構あるんですよね。

それで、そのまま虫歯が進行し、卒園するまでに歯がない!というような園児も見られたりします。

このような子供たちを少しでも減らすためにも、歯科医師が訪問したタイミングで歯・口腔状態の診察をしてもらうことが出来ます。

ここで虫歯が見つかったら、保育園・幼稚園から保護者へ通知が行き、早期治療へつなげることが出来ることも目的としています。

また、歯科衛生士から、虫歯にならないための歯磨き指導が実施されるところも多くみられます。

その他、歯の衛生週間の期間中は、歯磨きの大切さを理解してもらうために保育士や幼稚園の先生が、自主的に学習したことを、紙芝居や劇にして小さい子供でも分かりやすいように伝えるなどしています。

ちなみに看護師配置が義務付けられている私立保育園では、看護師を主体とし、フッ化洗浄(フッ素の入った口腔洗浄剤)や、フッ素塗布が行われてたりします。

フッ化洗浄とフッ素塗布の違いは、濃度割合にあります。

どちらを実施するのかは園により異なりますが、子供たちに虫歯になる原因、虫歯になることでどのような弊害が起きるか、洗浄・塗布のやり方、今後いつ行っていくかを説明します。

年中・年長さんになると説明を理解できる子も増えてきていますので、小さな子供は大きな子供の真似をして実施させます。これで虫歯リスクを防いでいます。

現在の園での歯磨きの実際

歯の衛生週間(歯と口の健康週間)の期間中は、特に歯の健康を保とうとする意識が強まります。

普段から虫歯にならないよう、気をつけるべきですが、実際の保育園・幼稚園の状況を見聞きすると、歯磨きを頻繁に実施していないところが存在します。

その理由ですが、コロナウイルスなんですね。

2020年に新型コロナウイルス感染症が流行し、緊急事態宣言などが発令され、コロナウイルスの感染経路が数多く報告されてきましたが、その中には「歯磨きをしていたら、流しで感染した」というニュースなども見受けられました。

それを引き継いでしまい、歯磨きを実施していない保育園・幼稚園が未だにあるとか。

しかし、食事後に何もしないというのはおかしいのでは?という声もあり、「せめて、うがいだけでも・・・」という声もあったため、歯磨きはしないが、うがいだけ実施している園がほとんどのようです。

致死性が高いということで2類感染症とされていたコロナウイルスですが、2023年には5類感染症に引き下げられました。

それでも、保育園・幼稚園での感染防止対策は2類感染症のときと変わらず、未だにうがいのみの実施です。

今後もこのような状態が続くのか、それとも歯磨きを再開するのか、気になるところです。

毎年6月に行われる歯の衛生週間(歯と口の健康週間)をきっかけに、食後の歯磨きを当たり前に行えるようになればいいですけどね。

まとめ

歯の衛生週間(歯と口の健康週間)期間中に、保育園・幼稚園では何がどのように行われているのかをみてきました。

食生活の変化などから小児の虫歯発生率上昇に伴い、園での虫歯対策などがされているのがお分り頂けたかと思います。

しかし、感染症などの影響で食事後の歯磨きがあまり実施されていない現状を考えると、保育園・幼稚園に任せきりではなく、各家庭での歯磨きに対する意識を高める必要性があると思います。