例年新年度が始まり、気温も徐々に上昇し、本格的に2024年の春がスタートしました。
温かくなってくると、間も無く到来する夏に向けて、海やプールが楽しみになってくる方も多いと思います。
お子さんがいらっしゃるご家庭、特に小学生の子どもがいると、プールの授業を心待ちにしている光景が目に浮かびます。
小学校のプール開きは例年6月と相場が決まっていますが、これに先立って、各地の小学校ではプール授業の準備が始まります。
ところで、日本の学校のプール開きが6月が多いのには理由があるのは知っていましたでしょうか。
6月は、まだ初夏とも言えない微妙な季節です。
気温は冬場ほどではないにせよ、ときに肌寒さを感じる時期。
正直こんな季節にプールに入るのは抵抗がありますよね。
今回は、日本の小学校のプール開きがなぜ6月に多いのか。またそれにあたって保護者の方々は何を準備すべきなのかを解説していきます。
プール開きのタイミング
小学校のプール開きは、たいてい6月に行われるわけですが、その理由はいたってシンプルで、これは気温と水温の関係性から、です。
どういうことかと言うと、安全管理上、学校のプール授業は水温と外気温が合計で40℃以上にならないと実施できないんですね。
一般的に遊泳に適した温度は25度以上とされてますから、外気温が平均20度とされる6月にプール授業が開始されるのが通念というわけです。
なので、比較的暖かい気候にある沖縄や小笠原諸島の学校は、本州よりも早いタイミングでプール開きしたりします。
もっとも、南洋地方と違い、本州は気候の関係上プール開きの条件が揃うのは6月あたりからです。
逆に北海道や東北地方は7月から開始することが通例で、このあたりも地域による気候の違いが垣間見れますね。
ただ、いずれにしても、学校のプールの授業は、気温的に微妙な時期にスタートするのは確か。
6月といえど、プールから上がり外気にあたれば寒いこともあると思いますが、早い段階から水温に身体を順応させる目的もあるようです。
水に慣れさせるという意味では、6月のプール開きは医学的にも理に適っているのかもしれません。
授業で水泳を実施する目的
小学校のプール開きは6月が主になってきます。
日本の学校では水泳の授業が必修科目となってますが、実は世界的に珍しいことなんです。
ヨーロッパやアジアの国々で、水泳の授業が必修なのは、極めて少数派です。
そもそも日本の水泳教育の目的は、緊急時の生存手段を養うことです。
1955年、文部科学省は小学校の体育の授業に水泳を取り入れました。これは、河川や海での水難事故があまりにも多く、命を守る手段として水泳の能力が重要視され始めたことがきっかけです。
もちろん心身を鍛えるためのスポーツとして、プールの授業に取り組んでいる側面もありますが、メインの目的は緊急災害時の生存率を底上げするためです。
小学生の頃からプールの授業を通して、「泳ぐ」能力を向上させることが、ひいては悲惨な水難事故を未然に防ぐことにつながるのです。
事前に準備すべきもの
小学校のプール開きについて、6月に行われる理由をみてきました。
最後に、ここからは小学校のプール開き前に、どんなものを準備すればいいのかについて解説していきますね。
と言っても、基本的な水泳用具を揃えるだけですが。
水着、水泳帽、フェイスタオル、プールバッグなどをデパートやスポーツ用品店で購入しましょう。
予算としては、お子様一人当たり5〜8000円といったところでしょうか。
ブランド物か、そうでないものか、若しくは別に揃えなくていいものもあると思いますので、学校側と確認しながら準備に取り掛かってみてください。
また、これは学校によって準備されているか否かが分かれる事ですが、経口補水液があるかどうかを是非確認してみてください。
プールの授業は、意外と体力を消耗しますし、6月といえど熱中症には注意が必要ですからね。
子どもに万が一のことがあったときのために、学校側がどの程度準備ができているか、しっかりと確認しましょう(全国の小中学校で毎年5件ほどの重大事故が発生してます)。
まとめ
小学校のプール開きについて、チェックしてきました。
プール開きは、小学校のお子様にとって楽しみの一つといえますが、水泳の授業は決して”遊び”ではありません。
目的はあくまで泳ぐ能力の向上、緊急災害時に命を守る手段を身につけることです。それに一歩間違えば死亡事故にもつながります。
お子様の楽しい思い出のためにも、親として安全対策を徹底しましょう!